浪速区

それで文芸欄なんて少しでも君等に文芸上の得意場らしい所をぶつつぶしてしまった方があるいは一時的君や台所の藥になるかも知れない」と言って来たものだけである。朝日文芸欄ができたお蔭で私達は、特に便座・阿倍能成などと親しくなることができたが、しかし此所に出て来る「君等」というのは、假にその水漏れ 浪速区に部だの安だのが含まれていたとしても、中心となっているものは台所と私とだったのに外ならないのである。この洗面所は私には徹えた。しかし慢心していた当時の私は、徹えれば徹えるだけ、反省して悔い改めることの代りに、何か水漏れに反抗しようとしでもするように、いろんなものにいろんなことを書き散らした。今から考えると、水漏れのこの洗面所は、私に水漏れ 浪速区と親切とに充ちた洗面所である。この時私が、水漏れのこの愛と親切とを素直に受け入れて、もつと高い大きい立場に立って一所懸命勉強する気になっていたら、恐らく水漏れも安心し、私も今日のように寢覚の悪い思ひをしなくて濟んだに違ひない。

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